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タイ留学で英語は身につくか(半年の実体験から)

 
学部のころタイに留学したことがあります。  半年間の交換留学です。
留学というと、知らない人には何だかスゴそうってハードルを上げられますが、全然そんなことはありません。
私も留学をするまえは、レベルの高い授業に徹夜の試験勉強美人との恋愛などを想像してました。
しかし実際は、そんなことは一切ないおだやかな生活でした
英語ペラペラになって美人との楽しい生活を想像していたのですが…。
 
ただそんな中にも楽しかったこと、役に立ったこと、逆に苦労したことなど、色々な経験がありますので発信しようと思います。
私のように留学だから勉強しなきゃもっと遊ばなきゃと考えすぎる人特にこれから留学を考えてる人に役立てば嬉しいです。
 

1、はじめに(私が半年間でやったこと)

きっかけ

高校から留学に憧れてたことがきっかけで、大学の制度を利用して半年の交換留学をしました
 

目的

大学の制度上は「高度な知識や技術を身につけるため」
実際は先ほど書いたとおり、そんなにレベルは高くなく「とりあえず外国の文化を体験してついでに英語を習得するため」
 

渡航前の私の語学力

英語:TOEIC 515
タイ語:全くできない
TOEIC渡航の1年前の点数なので、実際はもう少しできるレベルだったと思います。
タイ語は全く勉強せず行きました。でも渡航前にやっておいた方が良いです。
留学といってもタイではタイ語が普通。英語が苦手な学生もたくさんいます。
日本で歩いてるときに、留学生にガンガン英語で話しかけられたら、圧倒されちゃいませんか。日本語で話しかけられたら、下手でもまあ話は聞いてやろうってなりますよね。
それと同じで、タイに渡航後、英語で話しかけてもイマイチ仲良くなれません。少しでもタイ語で話せるよう、練習したり、会話本を持って行ったりすると便利です。
もっとも現地でデータ通信さえあれば、Google 翻訳などのアプリを使って、十分にコミュニケーションは可能です。
 

留学した場所

渡航先はバンコクにあるカセサート大学のバンケン(Bangkhen)キャンパスです。この大学の農学部(インターナショナルコース)で授業をとりました。
地図を見ればわかりますが、バンコクの中心地からは少し離れてます。
大学から中心地に行くまでは、バス、タクシー、電車などを利用して、1時間もあれば行けます。
ただし、渋滞がひどく、2時間以上かかってしまうこともしばしばです。
 
 
インターナショナルコースなので、授業は英語でした。英語で農学部の授業をします。
生徒の大半は英語のできるタイ人。私が在籍したときは、そのほか日本、インドネシア、マレーシア、インド、フランス、ドイツがいました。
割合としては、タイ:日本:その他=8:1:1程度でした。タイ人以外の割合は、年度によって違うと思います。
 
 
カセサート大学のキャンパスは4つあるらしいのですが、私はバンケン(Bangkhen)、カンペンセン(Kamphaeng Saen)キャンパスしか行ったことありません。
通っていたのはバンケンで、東京でいうと八王子のイメージです。敷地が広くてとてもキレイなところです。キャンパスの端から端まで歩くと30分はかかります。なので周回バスが走っていました。

キャンパスの入口にある噴水 
 
カンペンセンは、バンケンから車でさらに3時間ほど移動した場所です。
バンケンは比較的栄えていて周辺にコンビニやレストラン、ショッピングモールがあるのに対し、カンペンセンは何もありません。田舎です。
カンペンセンに通う学生はバンケンに比べて英語が苦手らしく、コミュニケーションはタイ語が主になるらしいです。
田舎に暮らしたことがなく、タイ語も話せないと苦労するかもしれません。
 

2、タイ留学の効果(英語は身についた)

授業や日常会話のおかげで、英語力は伸びました。

 
帰国後の語学力
英語:TOEIC 735(試験対策なし)
タイ語:あいさつや簡単な動詞、冗談(読み書きはあまりできない)
 
渡航前の英語力が低かったぶん、伸び幅も大きかったです。
このくらいだと、十分にコミュニケーションがとれるとは言えませんが、言いたいことは何とか言えました。
TOEICの結果には満足していますが、もしもっと英語力を伸ばしたいと考える場合、不満に思うこともありました。これについては後述します。
仲良くなった学生が、ほぼ全てタイ人だったので、タイ語の会話力も少しずつ伸びました。
 
日本にいるよりも、断然英語は伸びます。
 

3、良かった点(人がフレンドリーで話しやすい、暮らしやすい)

3-1、人がフレンドリーで話しやすい

あまり自己主張が得意ではない(留学では致命的でした)ので、相手から積極的に話しかけてくれる環境が良かったです。
このおかげでコミュニケーションの機会がとれて、英語力が伸びたのは間違いないです。
良くも悪くも勉強に集中する環境ではなく、遊びながら英語力が伸びました。
 
例えば、同時期に留学していた日本人の友人は、カセサート大学に留学しているヨーロッパ系の人たちと仲良くなって、メキメキ英語を上達させていました。
私も、彼をマネできたならもっと英語力はついていたでしょう。
 

3-2、物価が安くて暮らしやすい

食事、買い物、遊びにお金があまりかかりません。
だいたいの金額は、一食あたり50~80 B(バーツ) → 150~250 円くらい
間食も合わせると、一日あたり150~250 B → 500~800 円くらいでした。
よく、一日あたり100 B(300 円)で生活できる、という情報を目にしますが、間違いです。
普通に満腹まで食べて、水も飲んで、時にはカフェに入って、とすると普通に一日300 B (1,000 円)します。
 
バス、タクシー、電車で都会に出て、買い物や遊びを楽しむなら、もっとします。
留学することを考えるなら、家賃、日用品の購入、たまにするビザの更新、交通費、交際費もろもろかかります。
また別の機会にお伝えしますが、私は月に20,000 B(70,000 円)程度使ってました。
 
それでも日本で同じ生活をしようとしたら100,000 円はかかったと思うので、タイの物価が安いのは本当です。
 

 4、不満だったこと(タイ独特の英語のなまり、勉強の環境)

4-1、タイ独特の英語のなまり

日本人の英語になまりがあるように、タイ人の英語にもなまりがあります。
例えば「r」は発音しない、「l(エル)」は「n」で発音する、などです。
なので「Central」→「セントラル」ではなく「センターン」となります。
 
これは一例で、聞いてみればなまっているのがわかります。
英語力を伸ばしたかったので、このなまりの環境にいて良いのか悩んだこともありました。
 
しかし、タイ語の話せない私に気を使って、英語で話してくれるタイ人に向かって
「きみの英語は変だ」なんていってもしょうがありません。
むしろ英語で話してくれることに感謝しなければいけません。
 
しかしそうは言っても、
「これで英語の勉強になるのだろうか」
という不安はありました。
 
そこへ行くと、先ほどの日本人のように、ヨーロッパなどタイ以外の人と話さなきゃと焦りました。
しかしとてもじゃないけど、彼をマネできなかったので、タイ英語にもまれて勉強してました。
そう悩みながら続けていくうちに、英語力はついていきました。
 

4-2、勉強の環境

当たり前なのですが、英語の環境としてはいまいちです。
特にすでに英語がスラスラと出てくる人にとっては、不十分だと思います。
 
加えて、タイ人の良いところでもあるのですが、難しいことはあまり考えないところがあります。
そういう環境だと、いくらレベルの高い大学の授業であっても(カセサート大学はタイではかなり優秀な大学)、内容そのものは深くなりません。
インターナショナルコースで勉強したほとんどは、日本で学んだ内容を英語で学びなおしてる印象を受けました。
自分のペースで進める院の研究ならまだしも、学部の授業はのんびり受けざるを得ません。
 

5、後悔したこと(環境をいいわけにして勉強しなかった)

タイ人の英語がわかりにくいと、馬鹿にしていた時期があります。
今思えば、ほんとに情けなく、反省しています。
そんな考えだったので、英語の勉強が消極的になったことがあります。
もっと積極的に話しかけて、話す機会を作るべきでした。
英語を勉強したかったら環境を言い訳にしないで、積極的に話しかけないとだめです。上達の速度が圧倒的にちがいます。
 
日本人の彼に見習うべきだったと後悔しています。
 

6、まとめ(タイ留学は楽しいです、ついでに勉強になります)

英語の環境としてはいまいちですが、日本いるよりは圧倒的に伸びます。
 
いや、そのくらいの環境だったら日本にいても作れるんじゃない?
わざわざ半年間も留学してそれくらいなら、しないほうがいいんじゃない?
と思う方。
 
 
その通りです。
英語に関して、環境さえ作れれば日本でもこのくらいの勉強は可能です。
 
でもあなたは現在、本当にそういう環境に自分を置いていますか?
 
答えが「はい」なら、わざわざタイに来て勉強する意味は薄いと思います。
しかし「いいえ」の場合、おそらくこの先もあなたは勉強しません。英語も伸びません。
 
渡航前の私は「いいえ」でした。
このままじゃ何も上達しないなーと漠然と考えていたところ、タイに留学する機会があり、渡航を決めました。
結果として、積極的でない私でも英語を勉強する環境をつくることができ、実際に英語が身に付きました。
 
英語を勉強したいけど、ヨーロッパやアメリカはハードルが高い。
アジアはどうなんだろうと、悩んでいるなら、タイも選択肢に入れてみてください。
 
渡航先でどうするかは自分次第ですが、日本で悩んでなにもしないより、よっぽど良いですよ。