しゃべるシーラカンス

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銀座300BAR でロッカーが開かず無様に退散

銀座に300BAR(スリーハンドレッドバー)という、ネットでしばしば出会いの場といわれる立ち飲み屋がある。

 

 

道路に面した入口から階段を下っていくと、そこに店内への扉と荷物入れのロッカーがあった。
 
(おいしいお酒に料理、ガヤガヤした雰囲気、近くの人との楽しい会話。そのような雰囲気において、大きな荷物は邪魔になる…。)
その考えを見透かしたかのように、ロッカーは入口にしっかりと存在した。

 

 

このロッカーの使い方を説明しよう。
 
荷物をしまうとき
①荷物を入れ
②数字4桁を指定して
③鍵を閉める(これにより4桁の番号が[0000]にリセットされる)
 
荷物を出すとき
④指定した4桁の番号にダイヤルを合わせ
⑤鍵を開け荷物を取り出す
 
という手順で使う。注意すべきは②③である。
 
例えば②で [9999] を指定したとしよう。
鍵を閉めると②で指定した番号が自動で [0000] になる
 
つまり、②の番号を覚える → ③鍵を閉める とすべきなのだ
②で指定した番号を忘れると解錠できず、1万通りの数字の組み合わせを試さないと開かない仕様になっている。
 
 
設定した番号を忘れる人間などいるのだろうか。
 
 
 
私である。
 
 
 
①荷物を入れ
②適当にくるくる数字を回し
③鍵を閉める(これにより4桁の番号が[0000]にリセットされる)
 
やってしまった。②の番号がわからない。開けられない。
そうだ、店員さんに開けてもらえばいい。
 
だがロッカーには注意書きがあった。
 
『番号をお忘れになると、閉店時間まで開けることができません。ご容赦ください。』
 
血の気が引いた。
閉店時間までだと…?
 
いま何時だと思ってるんだ。
閉店2:00、今は20:00だぞ
 
このとき人並みのコミュニケーション能力があれば開けてもらう交渉は可能だった。
だがあいにく、こちとらそんなものは持ち合わせていない。
 

f:id:sirakansu:20180813114850j:plainなぜ私はコミュニケーション能力がないのか…。

 
 
こうなった以上、とるべき方法はただ一つ。
 
 
一万通りやるしかない。
 
 
カチャ…開かない。
カチャ…開かない。
カチャ…開かない。
カチャ…開かない。
カチャ…開かない。
カチャ…開かない。
カチャ…開かない。
カチャ…開かない。
カチャ…開かない。
 
女性二人が階段をおりてきた。入店するのだろう。
不思議そうな顔をして後ろを通って行った。
そしてすぐに店から出てきた。
 
また後ろを通って外で出て行った。
階段を上りながら話す声がする。
 
「すごい。全部の番号やってるんだ」
「ねえ」
 
違う!こんなことをしたくてここに来たんじゃない!
つらい!早く開けたい!お酒でも飲みながら出会いを求めたい!
「開かなくなっちゃったんですよーははは」すら言えない自分が情けない。
 
そのあと5分ほど格闘して、ついに開けることができた。
暑かった。店外は冷房が効いていないのだ。
開かない焦りと女性にあわれまれて、余計な体力を使ってしまった。
 
 
入るとすぐ右手にカウンターがあり、そこでチケットを購入する。
300×3 のチケットを購入した。税込みで972円だった。
 
なかなかおしゃれな雰囲気である。
それでいてドリンクや料理が300円で楽しめた。普通においしかった。
 
日曜の20:00は人が少なかった。女性もほとんどいない。
すると2メートルほどの距離に、女性がやって来た。
 
どうやら一人だ。さてなんて話しかけるか。
声かけをためらっていると、別の男があらわれ、会話が始まってしまった。
 
考えすぎて動けなかった…。
 
すでにロッカーとの戦いで体力を消耗していた。
もうこれ以上は戦えない。
 
一杯モヒートを飲んだだけで、無様に退散した。
次は考える前に声をかけよう。そしてロッカーは使わない。